音楽活動をしながらも、数多くのアーティストへ楽曲提供をし今も止まらない勢いで活動を続けているシンガーがいる。サカノウエヨースケだ。彼の底知れない行動力と音楽への情熱の原動力は何なのかインタビューで迫ってみた。
Q:まずは自己紹介をお願いします。
A:
ミュージシャン、シンガーソングライターとして活動しているサカノウエヨースケです。
19歳のとき、浅倉大介さんのプロデュースでメジャーデビューしました。これまで国内外のさまざまなステージでライブを行い、2011年からは作家活動も始めています。楽曲提供は水樹奈々さん、超ときめき♡宣伝部、星街すいせいさん、花江夏樹さんなど多岐にわたります。
俳優の米原幸佑と「ヨースケコースケ」というユニットも組んでいて、音楽だけでなく演劇や舞台の音楽監督も担当しています。2025年でちょうどキャリア25周年を迎えました。
Q:19歳でメジャーデビューされた経緯は?
A:
高校卒業後にデモテープをいくつかのレコード会社に送りました。すると、ソニーの新しいレーベルから連絡をいただきまして、社長さんの紹介で浅倉大介さんとお会いすることになったんです。僕の声をスタジオでチェックしていただいたり、藤井隆さんやTMレボリューションのカバーを歌ったりする中で「デビューが決まった」という流れでした。当時は神戸出身で両親は厳しく、音楽活動をなかなか認めてもらえていなかったので、デビューが決まったときは「やっと顔向けができる」という気持ちでしたね。
Q:アメリカへ渡り、フェスやCBGBでライブをされたそうですが?
A:
若い頃に「日本以外の場所で、どれほど自分の音楽が通用するのか確かめたい」という思いが強くなり、単身渡米しました。有名ライブハウスのCBGBやロサンゼルスの会場に、直談判しに行ったんです。向こうはオーディション方式が多いのですが、ビザの期限などもあって何度も粘り強く交渉しました。
フェスに出演できたときはやっぱり嬉しかったですね。お客さんの反応が日本と違って、とにかくストレート。でもあの空気感は日本ではなかなか味わえないので、とても刺激になりました。
Q:東京ドームでの公演もご自身で交渉されたとか。
A:
はい。東京ドームの運営会社に何度も足を運び、門前払いされながらも諦めず専務の方にまで話を通して実現しました。あまりに広いので暖房代も高く、当日は冷暖房を切った極寒の中でアコースティックライブをやったんですよ。冬のあの広い空間で音が跳ね返る感じはなかなか忘れられません。
Q:2011年から本格的に作家活動を始められたそうですね。
A:
実は2009~2010年頃、一度音楽活動を休止していたんです。そのときに作りためていた曲をまとめたアルバム『THE POPS』をリリースしたら、「カバーしたい」という声がかかったり、CMに使ってもらう機会がありまして。そこから“コンペ”という仕組みを知って、「じゃあ出してみようか」と応募したら運よく採用された。そういう流れで、作家としての活動が一気に始まりました。
Q:俳優の米原幸佑さんとのユニット「ヨースケコースケ」について教えてください。
A:
彼とは10代の頃からお互いの存在を知っていて、僕はシンガーソングライター、相方はアイドルをやっていたんですが、あるとき「曲を作ったり音楽の事をもっと知りたい」と彼が相談してきて。それなら一緒にやってみようかとライブをしたのが始まりです。
2016年にはアルバムを作り、ユニットとしても本格始動。最近は演劇と音楽を組み合わせた舞台にも挑戦しています。相方が脚本や演出を担当し、僕が劇中音楽を作るという形が面白くて、今後も続けていきたいですね。
Q:その後ご自身で起業されたんですよね。
A:
はい。もともと所属していたインディーズの事務所があったのですが、ユニットを進めるうちに「いっそ自分たちでやろう」となり、仲間にサポートしてもらいながら起業しました。やってみると大変な面も多いですが、自分のペースでいろいろ挑戦できるので良かったと思っています。
Q:25周年を迎えて、新たに挑戦したいことは?
A:
シンガーソングライターとして「これぞサカノウエヨースケ!」という代表曲をそろそろ書きたいですね。
楽曲提供はたくさんしてきましたが、日本中の誰もが知っている1曲といえるような楽曲をまだ残せていないので、ここでそういう代名詞と言えるような楽曲を残せるよう勝負したいです。それから「ヨースケコースケ」では演劇と音楽を融合した公演をもっと追求して、ショータイムベストアルバムのような新しいアルバムやエンタメの形を楽しんでもらいたいと考えています。
Q:若手アーティストへメッセージをいただけますか?
A:
本当にいろんな苦労があると思います。続けるのがしんどくなる時期も必ずある。それでも音楽を諦めずにやっていれば、どこかで誰かが必ず見つけてくれますし、それが次の活動の糧になります。自分を信じて、楽しみながら続けていってもらいたいですね。僕も同じく頑張っているので、一緒に盛り上げていきましょう。
Q:最後に、今後のライブなど告知があればお願いします。
A:
4月25日・26日と5月6日、そして5月某日にもイベント出演を予定しています(会場はいずれも大阪・心斎橋「夜を灯して」)。詳しくは公式サイトやSNSなどで随時発信していきます。これらのライブ収益の一部やオリジナルステッカーの売上を、アーティストに寄り添ってくれるオーナーのお店「夜を灯して」の運営や店主の治療費に寄付する形でドネーションする予定です。
皆さんぜひ遊びに来てください!
【ライブ情報】