異なる専門分野のプロフェッショナルが集まったバンド、Voice Connect。ディレクター、作家、ベーシスト、ギタリスト、ドラマー——そして2025年、ボーカルに高槻かなこが加入し、デビューシングル「Beautiful LION」をリリース。「Counter Viral Rock」という独自の方向性を掲げ、ショート動画からライブハウスまでを縦断する新世代のロックバンドだ。

今回は12の質問を通じて、バンドの原点、制作の哲学、そしてそれぞれのメンバーが抱く熱量に迫った。


◾️ 10年越しのタッグが、バンドになるまで

――Voice Connectが一つのバンドとして動き出すまでの経緯を教えてください。

福田 元々僕とサカノウエさんはディレクターと作家として10年ほど前から一緒に曲を作って、色んなアーティストに提供をさせていただいていました。そんな中、ちょっとした企画でバンドをやることになり、鳥居隼、田邊ミサト、髙野清宗の3人が加わって五人でバンドをやっていました。2025年には楽曲提供の機会がさらに増えていく中で、ボーカルを加えて何らかの形で曲を出せたらいいなと話をしていて。高槻かなこがボーカルとして加入し、そのままデビュー曲「Beautiful LION」が生まれた、という感じです。


◾️ 音楽を選んだ、あの日の記憶

――メンバーそれぞれが「音楽で生きていく」と決意した瞬間やきっかけを教えてください。

高槻 歌手になりたいと最初に口に出し始めたのは10歳くらいだったと思います。17歳の時には「アニソン歌手になる」という明確な目標になって、20歳で単身上京して夢を叶えました。音楽の道以外の人生は考えたことがなかったです。

サカノウエ 城天(大阪城公園ストリート)で、つんく♂さんが大阪で立ち上げたハロプロの前身グループがあるんですが、そこにバンドコンテストがきっかけで所属することになり、高校生バンドとして演奏を始めた高校1年生の頃ですね。

髙野 ベース自体は中学2年生から始めたんですが、当時も本当に音楽仲間に恵まれて、色んなジャンルの曲を聴いたりバンドを組んだりしていたので、いつか音楽の仕事につけたら幸せだなって思って音楽の専門学校に入ったのがきっかけですね。

ミサト 大学時代に組んでいたバンドで精力的に活動した結果、大学を中退した時が1つ目のきっかけです。その後そのバンドは解散し、都内で活動しているバンドのオーディションのために上京した時が、音楽で生きたいと思った決定的な瞬間でした。

高校最後の文化祭です。もうあれは文化祭などではなくフェスでした。その時の興奮が後に自分を音楽の道にどっぷりハマらせることとなりました。

福田 音楽で決意、というのはないですね。元々は裏方ですし、今も仕事の80%はレーベル運営業務なので。ただこうやって表に出てSNSなどをやっていくうちに色々な経験をさせていただいて、8/14のライブをやった時にそう思うことがあるかもしれないです。


◾️ ミラクルは、データの上でも、ステージの上でも起きる

――異なるバックグラウンドのプロが集まることで、制作やライブで化学反応が起きた瞬間はありましたか?

サカノウエ 僕らは2軸で進めていて、1つはDTMを用いた楽曲制作スタイルです。iPhoneに吹き込んだギター1本のDEMOから、ドラム→ベース→ギター→歌とウワモノ(シンセやピアノ、ストリングスなど)それぞれのパートをデータ上でやりとりして完成させた楽曲が、トップアーティストに1発で楽曲提供が決まった時はミラクルだと思いました。

もう1軸はライブです。会場の大小問わず、1発で会場をロックオンして自分たちの空気に持っていくスキルを各々が持ち合わせています。先日は株主総会という絶対的なアウェイな環境でライブをする機会があったのですが、音響機材に限りがある場所でも最後は全員が拳を上げてシンガロングする——そんな会場をロックアウトするライブができたりして、これからが益々楽しみです。


◾️ 「孤独を恐れずに立ち向かう勇気をくれる曲」

――デビューシングル「Beautiful LION」に込めたメッセージや想いを教えてください。

高槻 初めて曲を聴いた時に昂って叫びたくなるような気持ちになったので、その衝動を掻き立てるように、吠えるように歌いました! 孤独を恐れずに立ち向かう勇気をくれる曲だと思います。


◾️ 信頼で成り立つバンド、それぞれの「すごい」

――メンバーそれぞれの個性や強みを、メンバー同士の視点でお聞かせください。

高槻 みんなそれぞれ自分の分野に関してプロフェッショナルだしプライドがあると思うので、完全に信頼しています! そして凝り固まることなく新しいカルチャーを受け入れるという柔軟性を持っているのも良い部分だなと思います。私が加入する時もメンバーの前で歌の審査があったわけでもなく、サカノウエさんが推薦するなら間違いない!という感じで受け入れてくれたと思うので、それぞれの信頼で成り立っているバンドだなと思いました。

サカノウエ FKはバンドを押し出すための枠組み作りやシナジーを産み出すようなプロダクトの掛け合わせが本当に天才的なプロデューサーだと思います。誰もが苦手なところが誰よりも強みという、絶対的司令塔。

高槻は、ポテンシャルの塊です。彼女の爆発力がとんでもなくバンドを推進させてくれる原動力になると心の底から誰よりも信じさせてくれる、カリスマ的なアーティストだと思います。

髙野は、ベースの出す1音1音がとにかく最高に「ズシン」と響くのです。トッププレイヤーの絶対的条件の1つに出音の「1音」があると思っていて、間違いなく日本のトップベーシストたらしめる髙野のベースは凄いです。

鳥居は、アジャスト能力が半端ないです。速弾きやディストーション系サウンドも強いですし、16ビートのカッティング、アルペジオ、繊細なタッチも強いので、ジャンルレスなどんな楽曲やライブにもアジャストできる稀有なギタリストだと思います。

田邊ミサトは、ドラミングが誰よりも硬派です。そんなドラマーとして輝ける楽曲を生み出したいと思わせてくれるし、彼女が活躍することでこれからの女性ミュージシャンが目指す道を作ってくれると思います。

髙野 僕はあまり目立ったプレイスタイルではないので、あくまでボーカルやバンドの土台を支える縁の下の力持ちを心がけています。

きんちゃん(高槻)は色んな声色を使い分けられて、それでいて常に真っ直ぐな歌い方が素敵なボーカリストだと思います。サカノウエさんはクリエイターとしての引き出しがめちゃくちゃあって、今まで聴いたことのないコードワークとかが出てくるとワクワクしますね。FKさんはプロデューサーとして楽曲の正解を提示してくれて、ボイコネの要になる存在ですね。FKさんが喜んでくれるようなプレイを心がけています(笑)。隼さんはメンバーの中で一番付き合いが長いのですが、歌いたくなるようなギターフレーズがとてもキャッチーですね。田邊ミサトは安定感がエグいですね。ボーカリストは絶対に歌いやすいと思います。

ミサト きんちゃん(高槻)はとにかく圧倒的な存在感、太陽のような存在ですね。「Beautiful LION」のレコーディングの時に初めて歌ってる姿を見て、その強い歌声に圧倒されたのを覚えています。

サカノウエさんは、生み出す楽曲がどの曲も一回聴いただけで確実に耳に残るとんでもないクリエイターです。そしてGt.Voとしても観客を巻き込むプロです!

FKさんはバンドを俯瞰して導いてくれるバンドの要です。楽曲のフックだったりさまざまな正解を示していただける、全信頼を置いているプロデューサーです。

隼さんはワクワクするようなギターを弾いてくれるヒーローです! 曲作りをしている時も、隼さんのギターが重なった瞬間にめちゃくちゃ楽曲が華やかになります。

キヨは太い音で圧倒的グルーヴを生み出してくれるので本当に信頼できるベーシストです。そして時々見せてくれる「俺を見ろ」フレーズで皆を沸かせてくれるのが楽しみです。

きんちゃん(高槻)本当にバンド初めてなの? って思うほどバンドに馴染んでいて、この人の対応力の凄さに最初のシングルから驚かされました!

福田 ヨースケさんは10年前初めてdemoを聴いた時に天才的なメロセンスで天下を取れると思って、その気持ちはこの10年全くブレないですね。隼くんはどこに出ても誰に見せても恥ずかしくない、ウチの一番の切込隊長であり唯一無二のギタリストだと思います。

キヨくんは本当に安定感があって、バンドってこの人がいるからなんかいい感じに見えるっていう存在がいると思うんですが、まさしくその典型的な人材でありうちの心臓だと思ってます。

田邊ミサトちゃんはここまで華のあるドラマーはそうそういないですし、ステージでこれだけキラキラできるドラマーはいないです。立ち位置的に隣なのでいつもいいなぁと思ってますw

 

きんちゃん(高槻)は当然前から知っていて、色んな人からマジで歌すごい人がいると聴いていましたし、ライブも何度も見させてもらっています。実際に一緒にやってみてこのバンドの未来が見えたというか、きんちゃん(高槻)が入ることを昔から逆算していたんじゃないか? って思うくらいのフィット感で、フロントマンとして彼女をどう支えるか? という思考にしてくれるボーカルだと思います。


◾️ Counter Viral Rock という、新しい地図

――高槻かなこさんの加入で、バンドのサウンドや世界観はどう変化しましたか?

髙野 今までは楽曲提供がメインだったので、そのアーティストさんによってサウンドも演奏も結構変化していたんですが、きんちゃん(高槻)が加入して「Counter Viral Rock」という方向性が見えたのが大きかったです。これからお互いのことをさらに理解していくにつれて新しい試みもできるんじゃないかなとワクワクしています。PPP Viral Entertainmentで色んなアーティスト、クリエイターの人と関われることもバンドとしての可能性を広げられるんじゃないかなと思います。


◾️ 「打点」の面積を、6人で広げていく

――PPP Viral Entertainmentのビジョン「一瞬で心を掴む、世界でループするエンタメを創造する」に、Voice Connectとしてどう共鳴していますか?

サカノウエ 僕は作家としてもFKとたくさん楽曲を生み出してきました。このビジョンを1曲単位に落とし込むと「打点」の数だと思っていて、10秒のなかで、1小節のなかに、サビ、間奏、その至る所に「???」という、聞いてくれる人の耳に残る「フック」と呼ばれる「打点」の面積をいかに広げていけるか。その「サウンドキャッチ」の面積をVoice Connectとして6人で広げていけたらと思っています。

――ショート動画起点での「360度モデル」の中で、Voice Connectが果たす役割や挑戦したいことは何ですか?

福田 この20年音楽業界にいて今が一番大きな転換期だと思いますし、音楽そのものというより音楽に付随してショート動画がここまで流行るというのはあまり想像できていませんでした。今まで色々なところでプロフェッショナルとして経験してきたメンバーが今の時代に合わせて、今までのナレッジを生かして音楽を流行らせるということにアグレッシブに挑戦したいですね。またみんな年齢も年齢なので(笑)、今の若い子のやり方を楽しんでショート動画の作成などもやっていきたいですw


◾️ 「Voice Connect」——声で、世界と繋がる

――バンド名「Voice Connect」に込めた想いを教えてください。

ミサト 音楽はあらゆる壁を超えて人を繋げてくれるものだと思うので、まず「Connect」という単語を使いたかったんですよね。そしてライブをイメージした時に、そこに居る全員でシンガロングして繋がってるのが目に浮かんで「これだ!」となりました。

――音楽を通じてリスナーに届けたい「一番大切なこと」は何ですか?

今の時代だからこそ、人間の産み出す生暖かい作品や演奏の説得力ですかね。


◾️ 苦しさの先に、自分の歌がある

――これまでの音楽人生で最も苦しかった時期と、それをどう乗り越えたかを教えてください。

高槻 このバンドに加入する前は自分の音楽ソロ活動が思うように行かず、一度やりたいことから離れてみようという時期だったので、仕事で必要な音楽以外はほとんど聴けないくらい遠ざけていました。この10年は役として歌う機会がほとんどで、自分本来の歌が何かわからなくなってしまって悩んでいたんですが、今はそれを逆手にとって、いろんな歌い方や表現ができるということを取り柄に変えていきたいと思っています。


◾️ 渋谷O-EASTで、全員が最高の景色を

――最後に、今後の展望や目標、そしてファンの皆様へのメッセージをお願いします。

高槻 この時代のバンド活動というのはライブに限らずたくさんの可能性が秘めていると思います。Voice Connectはまさに自分たちが出来ることの枠を超えておもしろい活動をしていく熱量があるので、いろんな形で応援していただけると嬉しいです!

サカノウエ Voice Connectは、紅白やドーム、アリーナに既に立つメンバーもいれば、そういった場所に立つアーティストに楽曲を届けてきた側面も併せ持つロックバンドです。ですがこのバンドで「手にしたい」目標や夢は、誰よりも純粋で、泥臭く、音楽を始めた頃のような衝動が今日もこのバンドを動かしていたりします。まずは2026年8月、渋谷Spotify O-EASTでの1stワンマンを全員で最高の景色にできるよう、死に物狂いで掴みにいきたいと思います!! 押忍っ!

髙野 まだまだ始動したばかりですが、これからみんなに好きになってもらえる楽曲をたくさん届けられたらと思っています。応援よろしくお願いします!

ミサト まずは8/14の1stワンマンをソールドアウトさせて全員で最高の日にしたいです。個性の強いメンバーと皆をワクワクさせる活動をしていきたいと思っているので、是非末永くよろしくお願いします!

まだ駆け出しで色々準備中ではありますが、一つ一つ丁寧に物事を進めておりますので、ペースは遅いかもですが色々楽しみにしていて下さい!

福田 現状大きな野望を抱くというより、これだけのメンバーでやっているんだからみんなの期待に応えなきゃなぁというプレッシャーの方が強いですw ただ色んな人を喜ばせて、色んな人の気持ちを形にして、それが結果大きな場所で花開いてくれるということを期待して、バンド活動以上のことをやってメンバーやみなさんの期待に応えたいです。