昨年、結成から10周年の大きな節目を迎えたフォークデュオ「HONEBONE」。
これまで、品川ヒロシ監督映画『リスタート』(2021年公開)にボーカル EMILYが主演として抜擢。さらにはテレビ番組やラジオなど、さまざまなメディアでの出演を重ねるほか、読売ジャイアンツ・丸佳浩選手の入場曲「夜をこえて」を提供するなど、芸能活動・音楽活動ともに、ふたりの確かな足跡を残してきた。
本記事では、彼らが歩んできた10年の活動を振り返るとともに、11年目に踏み出したHONEBONEの現在地とこれからに迫る。
◾️自分と音楽を見つめ直した10周年
ーー 昨年で結成10周年でしたが、2024年の活動はどうでした?
EMILY:10周年だし地元でライブしたいよねってことで、地元(高円寺)にある最大の劇場「座・高円寺2」でワンマンライブをしました。
ただ10周年だからといって、正直そこまでこれといった大きな変化は去年どころか、ここ2〜3年くらいないような気がするよね?
KAWAGUCHI:ないっちゃないけど、それでも紆余曲折いろんなことがありましたね。
2年前は恵比寿の「LIQUIDROOM」でライブをしたけど、うちらはその時にちょっと心が折れたというか…
観に来てくれたお客さんには満足してもらえたし、もちろんいいライブができたなとも思えたし、何も悪いことはなかった。だけどそれ以上のことも、何もなかったんです。
ライブが終わった後のことを考えられていなくて、その当時はライブを成功させることでとにかく必死でした。だからそこで止まっちゃって…その後はちょっともぬけの殻になったというか。
だからその年(2023年)が終わってからはふたりで話し合いをして、2024年のHONEBONEは一旦活動の規模を縮小しようということになりました。
2023年は2枚のアルバムリリースと全国ツアーもして、いわゆるアーティスト的な活動をしていたけど、自分たちで運営をしているのもあって、もう自分たちのできるキャパを超えてきているようにも感じたし、それが少し限界かもしれないとも思ったので、2024年はツアーを一旦お休みして、東京をメインに活動をしていました。
EMILY:私は今までなにか仕事に繋がればと思って、芸人さんや芸能関係の方と頑張って飲みに行ったりしていたんですけど、去年は「なんかもういいや」ってなって、最近は全然飲みにも行かなくなりましたね。お酒でやらかしたこともあるし…そんなに飲むくらいなら真面目に音楽しなきゃなと思って。
KAWAGUCHI:もう11年目になるから今更かよって感じだけど(笑)
EMILY:飲みにいって繋がったお仕事ももちろんあるけど、だけどその時間をもっと音楽活動に費やすべきだったなって。遠回りしたけど、真面目に音楽しなきゃなと気づけた10周年の期間でもありました。
ずっと音楽だけしている仲間がFUJIROCKにでたり、有名な人たちとツーマンライブをしたりステップアップしていく姿を見て、何が一番大事か考えたら、私はライブをすること、曲を作ることだなと。だから最近は本当に真面目。
朝6時半に起きて、夜は10時半に寝るみたいな、超健康生活を送っています。
ーー 総じて自分を見直す10周年の期間だったんですね
EMILY:そうそう。去年は本当に音楽で何をやりたいのか二人で話し合って、何を目標としていたのか、何を目標とするかを改めて考えました。
「有名になりたい」とか「こんな会場でライブしたい」とか色々あるけど、それ以上に自分たちでやれることも、きちんとやらなきゃいけないことも、まだまだあるなって。きっと周りから見たらまだまだ結果を残せていないと思うし…
ただ、うちら的には地味だけど、今はコツコツ音楽活動やれているからいいかなとも思っています。
ーー 実際、納得のいく2024年でしたか?
KAWAGUCHI:いや、正直面白くなかったですね〜(笑)
EMILY:活動を縮小してみたけど、やっぱりもっとライブをしたかったし、もっといろんなところを回りたかったなって。
KAWAGUCHI:11年目(今年)になってからは少し元気を取り戻して、5月は久しぶりにツアーを回ったんですが、やっぱり楽しかったです。
EMILY:ライブでお客さんに会うのが自分たちらしさだし、逆にもっといろんなところを回りたいなとも思いました。
一旦今はツアーが終わったけど、夏もライブはするし、秋も渋谷でワンマンライブが決まっているので、LIQUIDROOMの時より規模は小さいけど、あの頃やりたかったことをきちんと真面目にやっていきたいと思っています。
◾️ふたりだからこそできる、音楽活動との向き合い方
ーー 2014年からこれまでの活動の中で変化はありましたか?
KAWAGUCHI:マインドとして特に大きな変化はないけど、コロナ以降僕らは二人とも専業のミュージシャンになって、音楽を生業にしていたけど、2023年が一番きつかったですね。
経費や生きていくためのお金のことを考えながら曲も作って、ライブして、、っていうのがきつくなって、EMILYから「お前もうしんどいんじゃない?」と言われて、二人でたくさん話すようになりました。
これまでは僕が引っ張っていく感じだったけど、一緒に2人でやっていかないかって話をきちんとして、2024年からは音楽以外の事務的な作業も分担できたし。
だから僕の心境が変わるというか、二人の音楽のやり方が変わったように感じますね。
EMILY:ただ、人数がいるバンドだったら大変だけど、うちらは2人きりだし、何度でも話し合えるからこれまでやってこれたというのはあるかな。何があっても修復できるというか。
KAWAGUCHI:あと正直これまでは自分たちだけが得をしようって行動をしていたんです。
たとえば取材や番組に出られたら「次これを繋げてください!」みたいな思いで関係者の方と接していましたね。でもそれっていやらしいし、絶対相手にバレるよなってこの2年くらいで気づいて、良くないなと。
ただガツガツ感は悪くないし、それをいいと言ってくれる人もいたから、難しかったけど、
必死になるならそんなことよりも、音楽に対して必死になろうよって思うようになりました。今はライブや楽曲のことをたくさん考えられるようになったので、すごく楽しく活動しています。
EMILY:私も今が一番凪のような感じかな。
KAWAGUCHI:この人の凪は怖いよ〜。急に変わるかもしれないし。
EMILY:ええ!でも結婚してからはずっと凪みたいな感じよ?
ただそれがミュージシャンとして尖りが全くなくなっちゃって、「昔尖ってたよね?」と言われることも増えたので、ちょっと悩みではあります。この業界を生きていくにはどうしても尖ってなきゃいけないかなと思ってたりもするし。
ただ自分たちってめっちゃモラリストなんです。外れたことはやらないし、極端な発言もしないし、でも「それだと目立てないかな」とか考えたりもするけど…
KAWAGUCHI:でもキャラ作りしてもバレますもんね。
EMILY:うちらは普通以上にめっちゃ普通なんですよ。目立ってる人も羨ましいけど、地道にコツコツやっていくのが、HONEBONEらしさかなとも思います。
◾️暗い道のりから夜明けを迎えにいく「ドーン」
ーー 今年の4月にリリースしたEP「ドーン」はどのような1枚に?
EMILY:今までは「自分のことを聞いて!」って自己主張の強い曲が多かったけど、もっといろんな人に聴いてもらえるような曲を意識して作りましたね。「ラブソング」って曲なんかは、これまで作ってこなかったような曲調だし、より多くの方に聴いてもらうことを意識していたかな。
KAWAGUCHI:だけど「PINK SKY」は昔からのHONEBONEらしさを感じる1曲になっています。僕らって明るく見られがちだけど、少し暗さも感じられるような曲が多かったりするので、そういった意味でもファン歴の長い方に喜んでもらえるかなと思っています。
ーーどういう経緯で「ドーン」というタイトルに?
KAWAGUCHI:2023、2024年ともに僕らにとっては暗い時期で、もっと言うとコロナ禍になってからはずっと先の見えない暗い道を進んでいるようにも感じていたけど、ここから抜け出したいという思いから、ジャケットの夜明けの写真も添えて「ドーン」に。
EMILY:個人的な話になるけど、去年身内が亡くなっちゃって、そこで音楽を続けるの無理かもしれないなと暗くなってて、それでもライブはしてたけど、やっぱり自分のメンタル的にも広く活動をするのが厳しかったから、このアルバムはある種自分にとっての希望というか。「PINK SKY」は自分のその当時の気持ちがもろに反映されているけど、お客さんにどう見られたいか、聴いてもらいたいかというのをちゃんと考えて、自分のパーソナルな部分も、聴いてくださる方のことも、どっちのことも考えた大事な1枚になっています。
「前に進もうぜ!」なんて前向きなことを言うのはまだ難しいけど、「とりあえず生きていくしかないよな」と、私自身思いながら作りましたね。
◾️夜をこえて、もっと大きな会場で!
ーー 10周年を経て、今年で活動11年目ですが今後の目標はありますか?
KAWAGUCHI:目標は自分たちの中で5年先くらいまで考えてはいるけど、やっぱり大切にしたいのはライブ。大きい会場でライブをしたいというのがずっと目標です。
今年は秋に渋谷の「PLEASURE PLEASURE」でライブをしますが、1000人規模のライブもたくさんしたいし、もちろんそれ以上のキャパでのライブもできたらなと。
EMILY:LIQUIDROOMの時にはできなかったことをきちんとしたいし、ただライブをやるだけで終わらないように、大切にライブをしたいですね。あとはずっと言ってるけど、1曲で100万再生はいきたいです。
KAWAGUCHI:でもそれは叶えられたから、次は1000万再生、いや、1億回再生で!
「夜をこえて」はジャイアンツの丸選手がバッターボックスに立つときに使ってくれているのもあって、HONEBONE関係なく曲が独り立ちしているから、HONEBONEを知らなくてもこの曲は知ってると言ってくださる方もいるし、曲から入って「こんな人たちが歌ってるんだ」って知ってもらえるし、それってすごく理想的な形なので、そんな曲がもっと増えたらうれしいです。
EMILY:ちなみに今年の2月に宮崎まで行ったんですよ、巨人の宮崎キャンプがあって。そのイベントの時にも歌わせてもらったんですけど、巨人のファンの方も、宮崎の方もたくさん聴いてくれたからすごくうれしかった。いつかは東京ドームで、丸ちゃんの応援として歌えたらなと思っています。
あと今年は夏にシングルを2〜3曲ほど出す予定です!11月のワンマンライブも完売させたいので、またこれからギアを入れていきます。
KAWAGUCHI:これから出す曲も今までの曲とまた少し違ったニュアンスになっています。それは良い面もあれば悪い面もあるかもしれないけど、もっと共感してくれる人が増えてくれるような曲になっているので、これまで聴いてくれているファンの方も、これから聴いてくださる方にも、より多くの人に届けられたらうれしいです!