彼女がそこにいるだけで、その場が明るく照らされみんなが笑顔になる。太陽のような存在であり2023年11月に沖縄から一人大阪へやってきた「きなかのん」彼女の明るさの奥にある過去、そして芯のある眼差しでどこへ向かうのか取材した。
―きなかのんさんの人を笑顔にするパワーに魅力を感じる人は多いはず。幼少期はどんな子ども時代でしたか?表現を始めたきっかけは?
幼少期はとにかく家族から「可愛いねぇ」と言われ愛情たっぷりに育ててもらっていました。天真爛漫な性格だと当時から言われていた記憶があります。中でも小学校6年生の時に母親が「かのんは太陽みたいな子だね、みんなを明るくしてくれる」と言ってくれた言葉がすごく心に残っているんです。誰かの太陽でありたい、目の前の人が笑顔でいてほしいとそのころから特に意識しはじめましたね。表現に出会ったのは中学一年生の頃です。今までの人生で一番苦しい時期で、そんなときに学校で配られた一枚のチラシに目が留まったんです。市民でつくる劇団の応募用紙でした。応募してみたら受かって、舞台までの時間家族よりも長く劇団のメンバーで過ごして表現について意見を出し合ったんですよね。本当に毎日が楽しくて、私は当時名前もまだない役だったんですが、初めて舞台の幕が上がってスポットライトを浴びたときの感動を忘れられません。それが表現にであったきっかけです。
いぬまる:なるほど、お母様の言葉や当時の劇団での経験が今のかのんさんの人柄や表現活動につながっているのですね。
きなかのん:そうですね、心に一生残って背中を押してくれるんだと思います。
―沖縄から大阪へ行こうと思ったきっかけや、表現の世界で沖縄との違いで驚いたことはありますか?
あります!一番は大阪のテーマパークで働きたいと思ったことがきっかけでした。思い立ってすぐに大阪へ越してきて仕事につきました。表現活動からは離れてしまうかなと思ったんですが「夜を灯して」というライブバーのオープンマイクにいったことで大阪でも音楽活動が続けられるようになりました。大阪と沖縄の私が感じた違いですが、お客様の雰囲気の違いに驚きました。関西の方はMCのときにすごく合いの手を入れてくれるんです。一緒にライブを作るような感じ。その雰囲気に驚きましたね。
いぬまる:そうなんですね!沖縄の方たちはみんなで踊るイメージでしたが実際は、大阪のほうがワイワイしている雰囲気ですか?
きなかのん:はい、沖縄の方は私もそうですが実は人見知りなんですよ。(笑)そこも好きなポイントですが。
―きなかのんさんのステージは親しみあるMCや温かい雰囲気で気が付くと惹きこまれます。ステージ上で意識していることはありますか?
あります。私は役者をやっているので、音楽を歌っているときなどに時折表現にぐっと入る曲を弾き語るときがあって。その際には前後のMCで聞いてくださる方の心の糸が緩むよう一緒に楽しめるMCをしようと思って意識しています。ずっと気が張ったままライブみると疲れちゃうじゃないですか、一番リラックスして聞いていただきたくて願いを込めています。
いぬまる:なるほど!MCと演奏でバランスのとれたステージをつくっておられるんですね。
きなかのん:はい、一つ一つのステージで出会う人も違うのでその時みんなで作れる空間を大切にしています。
―今後の活動で挑戦してみたいことや、1年後どんな自分になっていたいですか?
今挑戦しているのはラジオでの活動です。近日発表できるのですがある挑戦が決まっていて。音楽はもちろんいろんな切り口で表現活動を続けたいですね。沖縄が私の故郷なので、沖縄の良さも伝えていける人になりたいと思っています。
いぬまる:発表楽しみにしています。沖縄のあたたかさを大阪の音楽シーンで広げていけるとよりきなかのんさんの持つ表現のチカラは活きていくんだと思います。
きなかのん:そうなると嬉しいです。
―最後に、ここまで読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。
読んでくださっている方は、私と会ったことがある方、ない方もいるかと思います。ぜひ会ってお友達になりたいです。演者、聞き手とかそういう区切りではなくて人と人として繋がれたら嬉しく思います。
いぬまる:たくさんのことを教えていただきありがとうございました。
きなかのん:こちらこそありがとうございました!