2009年から9人組Voice Of Mindとしてバンド活動を経て、ソロ活動ではこれまで数多くのテレビCMや番組テーマソング、国際線での音楽に起用されるなど日本のポピュラーピアノシーンで目覚ましく活躍し、有名アーティストのサポートやソロコンサートなども成功させてきた彼女。現在は心斎橋にstudio FUN HOUSEを構え自身の経験から音楽を伝える立場として活動されているMaiteaの思う音楽のカタチとは。
―音楽をはじめたきっかけやピアノを選んだエピソードは?
父が現役ジャズドラマーで、小さい頃から楽器に囲まれた家で育ちました。グランドピアノの下でころころ転がっていたような赤ちゃん時代を過ごした後3歳のときにメヌエットを自然に覚えピアノで弾き始めたらしくて。そこからポピュラーピアノやクラシックピアノに触れ始めました。小学校の時は洋楽のオムニバスを集めて、特にエアロスミスは大好きでした。コードは中学の時に弾き始めました。きっかけはカラオケ本にコードが載っていて、自分で本を見ながら楽しんで学んでいきました。
―バンド時代やソロ活動をしていた時と、現在の音楽との関わりで自分の中で変化はありましたか
音楽への向き合い方は変化していきました。一番キラキラと夢見ていたのは音大卒業の頃でした。その後バンド活動やソロ活動をする中で次第に楽しく「夢」を追うことと仕事として音楽を受ける「現実」の狭間にいる感覚になっていたように感じます。勿論音楽活動をしていたころは、ミュージシャン同士やファンの方、関係者の方との出会いなど人との繋がりが多く、あの頃を駆け抜けたから今も音楽を好きでいられるのだと思っています。ただ、毎日がむしゃらに突き進んで夢を追っていましたね。
―オリジナル楽曲も多くありますが、どのようにいつも曲を作っていますか
それぞれの楽曲で全く違う形で出来たんです。例えばRevivalは震災をテーマにしたフィギュアスケートの演目をテレビをみて感動して、僅か10分ほどでできた楽曲です。自分も震災で家が全壊した経験があるので心が奮い立たされてできたのかなと思います。Last summerは高校時代、夏休みの思い出を曲にしてキーボードに録音してあったものだったり。深海魚は海をテーマに色や情景を思い浮かべて作ったりと、それぞれの楽曲生まれたシーンが違って、それを知ったうえで聴いていただけるとまた楽しめるかなと思います。
―studio FUN HOUSEを設立しようと思った背景はなんですか
一番は、長く音楽の傍にいられる形を考えたときにみんなが音を楽しめる居場所を作りたいと思ったことからですね。楽しめることが大切だということを私も一緒に感じながら過ごせる場所を作ろうと立ち上げました。心斎橋を選んだのにも特別な想いがあって。ライブ活動をメインにしていた頃、心斎橋のライブハウスにたくさんお世話になったのでご縁を感じて選びました。
―ピアノを教える際に最も大切にしていることは何ですか
そうですね、子どもさんから大人の方まで生徒さんが通ってくださっている中で一人ひとりピアノを習う目的が違うのでその方に合わせたレッスンを心がけています。趣味で始める方、仕事にしたい方、クラシックからポピュラー音楽に興味を持つ方など。その方のスタンスに合わせて私の意見を押し付けすぎずに伝えることを大切にしています。一人一人勿論性格も違うので、ゆったりしている方にはガツガツいかないだとか。その中で楽しいを一番に感じてもらえるようにしています。発表会の時なんかは、生徒さんの演奏をみていると自分が演奏するよりも達成感があるんです。
―今後のご自身の活動や、今関西で活動する若手音楽家へ何か言葉を伝えるとしたらなんですか
最近、また自分の音楽を自分の音で伝えたいなと思い始めたんです。そこで始めたのがyoutubeへの演奏動画のupです。はじめは自分のために始めたんです。ゆったりマイペースに音楽を楽しもうって思って投稿しはじめたら、知らない方や海外からもコメントをいただくようになって驚いています。そこもまた出会いだなと感じ大切にしていきたいです。
今のライブハウスや関西の音楽シーンでがむしゃらに活動する方へ伝えるとすれば、一番に音を楽しんで好きでいられるペースでやっていってほしいですね。プレッシャーなど、いろいろ感じる場面に直面した時に何のために音楽を始めたのかに立ち戻って考えて、ずっと好きでいられるようにしてほしいです。
しんどいな、楽しくないなって思う時はあると思うんです。その時に少し休憩しながら音楽はどこにもいかないから自分と向き合って楽しんでほしいです。
―Maiteaさんの大切にしている価値観や趣味、そこから音楽につながることはありますか
私多趣味なんです(笑)というか、なんでも興味を持つんですよね。紅茶やコーヒーも好きだし映画やミュージカル作品も。音楽も幅の広い音楽を聴くしよくライブにも行きます。でもそれって凄く音楽をする中でも大切なことだと思います。音楽の幅、自分の引き出しを多くするためにも沢山の物事に興味や関心を持つと自然と見え方も変わってくると思います。生きる力にもつながることかなって感じますね。
―最後にここまで読んでいる方にメッセージはありますか
ここで今文章を読んでくれている方も、一つの出会いだと思うんです。なので出会ってくださってありがとうとお伝えしたいですね。音楽はいつでも素敵な出会いを連れてきてくれるので感謝でいっぱいです。
いぬまる:今日は貴重なお時間ありがとうございました、私自身にも響くお話でした。
Maitea:こちらこそ、ありがとうございました。
studio FUN HOUSE
リハーサルスタジオ&音楽教室&ワークショップ
https://www.fun-music123.com/
楽曲提供経歴
- 住友不動産CM
- ANA国際線機内放送曲
- 六甲山活性化プロジェクトBGM
- サンテレビ「手づくり花づくり」BGM
- サンテレビ特番エンディングテーマ「Revival」
など多数